[レポート]最適なデータ分析ソリューションの見つけ方 #Looker #BEACONJapan

[レポート]最適なデータ分析ソリューションの見つけ方 #Looker #BEACONJapan

Clock Icon2021.06.23

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

この記事は、2021年6月22~23日開催の Looker BEACON 2021: Japan のオンラインセッション『最適なデータ分析ソリューションの見つけ方』に関するセッションレポートです。

セッション概要

本セッションではビジネスインテリジェンスの歴史や成り立ちから、今必要とされている機能などをご紹介させていただき、数多くあるデータ分析ソリューションの中から最適なものを選択できるようなヒントについてご紹介します。

登壇者

グーグル・クラウド・ジャパン合同会社
Looker 事業本部 カスタマーエンジニア
蓮池 拓哉

1)ビジネスインテリジェンス(BI)はどのように進化してきたか

従来のBIの特徴

  • IT主導 ... ETLツールなどを使用してデータを収集・加工

  • 定型化された帳票 ... ERPや基幹システムが中心であり、定型レポートを定期的に作成することが重要

  • 低い普及率 ... ツールの利用にはSQLや統計に関するスキルが必要

  • 受動型 ... 過去実績を可視化したものが多く、リアルタイム性はない

  • レポートの配布 ... 日報、月報としてメールなどで配信、あるいはPDFを作成してファイルサーバに保存

かつては、確定した実績のレポートを定期的に自動生成してくれること自体が有難かった。

最新のBIへの転換

  • ビジネス主導 ... デジタルデータは様々なところにあり、ビジネスサイドが求めるスピード感で成果を出さなければならない

  • 自由なデータ探索 ... 集計結果だけではなく、データを根拠に何が起きているのかを探索

  • すべてのユーザタイプ ... データアナリストだけではなくビジネスユーザを含めたチームが、組織横断で関係各所のデータを把握したい

  • 能動型/予測型 ... 1週間前のレポートを見ても間に合わない。データドリブンで業務課題を解決する必要がある

  • 新しいユースケース ... 自社での利用に留まらず、外部のビジネスパートナーとデータを共有

2)評価のためのハンドブックが陳腐化する理由

BIの評価基準の陳腐化

  • 機能重視 ... 可視化に関わる可視化機能はほとんどのツールで実現方法が提供されているため、○×をつけて機能差を見出すのは困難。自分たちが何をするのかで判断をすべき

  • 事前集計が前提 ... 分析目的のために専用のデータマートを作るのではなく、クラウドデータウェアハウスなど事前集計が不要なテクノロジを採用すべき

  • 最低限のレポート要件 ... データの利用方法は進化し続けるので、従来やっていたことをそのまま実現するだけではなく、次に何をやりたいのかを考えるべき

  • 技術的な複雑さ ... 検証やPoCにおいて、構築やサーバ手配に手間をかけるのはナンセンス。デモ用のデータではなく、ユースケースに基づいた実際のデータを使って評価をするべき

最新の評価指標

  • 評価の主眼を転換し、モダナイズすることが必要

レポートやダッシュボードに制約されない考え方

  • 従来のビジネスフローに新しいツールが増えると、現場の利用者が新しい手順を覚えなければならず、ツールの浸透に時間がかかる

  • 既存のCRMやSFAにBIのインサイトを統合することで、これまでのビジネスフローを崩さずに新しいツール(BI)を利用できる

  • Slackなどのチャットツールにデータのインサイトを統合するユーザも増えている

3)戦略をモダナイズする方法

さまざまなペルソナ、レベル、部門を跨ぐ評価チームを構築する

IT担当者やデータエンジニアだけで機能を評価するのではなく、実際の利用シーンを想定してツールの使い勝手や導入効果を測定しながら評価する体制を整える

将来の展望に注目

  • 変化するデータ戦略 ... データ戦略の変化への対応

  • プラットフォームの拡張性 ... 他ベンダーの機能を統合できるか、あるいは外部のプロダクへの組み込みは容易か

  • データのボリューム増加と複雑化 ... 現実のデータ量に対するパフォーマンス要件を満たしているのか。ユーザ、データが増えた場合にスケールしやすいアーキテクチャになっているか

実行に移してほしいアクション

  1. ビジネス価値の特定

  2. 業界調査結果の利用

  3. 導入事例の参照

  4. 評価の構成

  5. 徹底的な評価の実施

まとめ

カタログスペックだけを並べた評価を行うのではなく、実際の利用者が実際のユースケースをもとに評価を行うことで、導入効果を明確にできます。 その点では、本セッションはBIツールに特化したセッションタイトルであるものの、様々なプロダクトにおいても同様の評価プロセスを適用することが可能だと考えます。

もし私が追加するとすれば、「そのプロダクトを自社で適切に運用できるか」という観点も評価ポイントとして取り入れたいところです。

特にBIツールは導入がゴールではなく、ビジネスの要求とデータの変化に対応しながら運用し続ける必要があるため、自社で運用できないツールを導入するとすぐにデータが陳腐化して使われないツールになってしまいがちです。

容易にダッシュボードのメンテンナンスやカスタマイズができないことが原因で、現場がデータをダウンロードして独自の加工処理を行った結果、正しい数字がわからなくなる「データカオス」を引き起こす可能性がありますので、導入の際にはその点も考慮いただければ幸いです。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.